
こんにちは!re:shine編集部です。
「国民健康保険が高い。健康保険組合に入れたら、もっと安くなるんじゃないか。」フリーランスエンジニアとして働いていると、保険料の通知を見るたびに、そんなことを考える方も多いのではないでしょうか。調べてみても、入れる組合があるのかないのか、情報が錯綜していて結局よく分からないままになっていませんか。
先に結論をお伝えすると、フリーランスエンジニアが個人で加入できる健康保険組合はほとんどなく、ほとんどの方にとって現実的な選択肢にはなりません。ただし、組合に入れなくても保険料の負担を抑える方法は他にもあります。この記事では、その現実的な選択肢を一つずつ整理していきますね。
- 1、フリーランスエンジニアも健康保険組合に入れる?
- (1)国民健康保険と健康保険組合は何が違うのか
- (2)結論:ほとんどの方は基本的に加入できない
- 2、フリーランスエンジニアが入れる健康保険組合はある?
- (1)関東ITソフトウェア健康保険組合には入れるのか
- 3、国保組合以外に保険料の不安を減らす方法はある?
- (1)会社員時代の健康保険を任意継続する
- (2)法人化という選択肢
- (3)正社員・トランジション採用という選択肢
- 4、フリーランスエンジニアの健康保険組合についてよくある質問
- Q1. フリーランスのまま入れる健康保険組合はないの?
- Q2. 健康保険組合に入ると確定申告は変わる?
- Q3. 任意継続にはデメリットもある?
- Q4. 法人化すれば健康保険料は必ず下がる?
- 5、まとめ
1、フリーランスエンジニアも健康保険組合に入れる?
結論から言うと、職種や条件次第では入れる組合がありますが、誰でも入れるわけではありません。
(1)国民健康保険と健康保険組合は何が違うのか
フリーランスとして独立すると、多くの方は市区町村が運営する国民健康保険(国保)に加入します。国保の保険料は前年の所得に応じて決まるため、売上が伸びるほど負担も重くなる仕組みです。実際、国保の保険料には年間の上限額(賦課限度額)が設けられており、令和8年度は医療分・後期高齢者支援金分・介護納付金分をあわせて110万円、新設される子ども・子育て支援納付金分を含めると113万円まで引き上げられています(*1)。一方、健康保険組合(組合健保)や国民健康保険組合(国保組合)は、同業者や同一地域の企業・個人が集まって運営する保険制度で、保険料の決まり方が国保とは異なります。会社員時代に「協会けんぽ」や「組合健保」だった方ほど、独立後に国保の請求額を見て驚くことが多いのも、この仕組みの違いが背景にあります。
*1参考:厚生労働省「国民健康保険法施行令及び国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令の一部を改正する政令の公布について(通知)令和8年1月15日保発第115009号」2026年10月閲覧
(2)結論:ほとんどの方は基本的に加入できない
フリーランスエンジニアが個人で直接加入できる組合は、実はほとんどありません。誰でも無条件に入れるわけではなく、法人や加盟団体への所属が前提になるケースがほとんどで、個人事業主がそのまま単独で加入できる道はごくわずかです。次の章で、実際に名前が挙がりやすい組合と、その加入条件を具体的に見ていきましょう。
2、フリーランスエンジニアが入れる健康保険組合はある?
個人で加入できる国保組合はほとんどありませんが、名前が挙がることがあるのが関東ITソフトウェア健康保険組合です。ただし、こちらも加入には条件があります。
(1)関東ITソフトウェア健康保険組合には入れるのか
関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS健保)は、フリーランスエンジニアの間でも名前が挙がりやすい組合健保です。ただし、ITS健保は法人(事業所)単位での加入が前提の組合健保で、公式サイトでも加入案内が「法人加入について」として整理されています(*2)。具体的な加入基準を見ると、対象業種はソフトウェア開発や情報提供サービスなどIT関連の業種に限られているうえ、被保険者数も原則20名以上(親会社・子会社などグループ関係にある事業所は5名以上)必要とされています。フリーランスが1人で満たせる条件ではないため、個人事業主がフリーランスのまま単独で加入することは想定されておらず、現状では「法人化して自社をITS健保の適用事業所にする」か「会社員時代にITS健保の被保険者で、退職後に任意継続する」以外の道はほぼありません。
*2参考:関東ITソフトウェア健康保険組合「法人加入について」2026年10月閲覧
つまり、フリーランスエンジニアが個人のまま現実的に選べる健康保険組合は、ほとんどないと考えておいたほうがよいでしょう。次の章では、組合に入れなくても保険料の負担を抑えられる、現実的な方法を見ていきます。
3、国保組合以外に保険料の不安を減らす方法はある?
国保組合に当てはまらない場合でも、選択肢がないわけではありません。

(1)会社員時代の健康保険を任意継続する
独立する前に会社員だった方は、退職後も最長2年間、それまで加入していた健康保険を任意継続できる制度があります。申込みの期限は退職日の翌日から20日以内と定められており、この期限を過ぎると原則として認められないため、独立を決めたらまず押さえておきたい手続きです(*3)。保険料は退職時の標準報酬月額に、お住まいの都道府県の保険料率を掛けて計算され、在職中は会社と折半だった保険料が全額自己負担になる点は踏まえておく必要があります(*4)。標準報酬月額には上限があり、令和8年度は32万円です(*5)。たとえば東京都の令和8年度の保険料率(9.85%)で試算すると、標準報酬月額が上限の32万円であれば月額はおよそ3万1,500円、40歳以上65歳未満で介護保険料率(1.62%)が加わる場合はおよそ3万6,700円が目安になります(*6)。保険料は原則として2年間変わらない仕組みのため、独立直後の収支を見通しやすいのもメリットの一つです。独立直後でまだ国保組合の条件を満たせない時期に、つなぎとして活用を検討する方も少なくありません。
*3参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について よくあるご質問」2026年10月閲覧
*4参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「保険料について|健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について」2026年10月閲覧
*5参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の任意継続被保険者の標準報酬月額の上限について」2025年12月
*6参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「都道府県毎の保険料率(令和8年度)」2026年10月閲覧
(2)法人化という選択肢
所得水準によっては、法人化して自分自身を社会保険(健康保険・厚生年金)に加入させるという方法もあります。社会保険料は会社と本人の折半になるため、個人事業主として国保に加入していたときよりも月々の負担感が変わる方が多く、保険料の負担そのものは増えるケースが多いのが実情です。
一方で、給付面は手厚くなります。たとえば傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった際に、おおむね給与の3分の2相当の額が、支給開始から通算1年6か月にわたって受け取れる制度です(*7)。国保にはこうした所得保障の制度がないため、長期間の療養が必要になったときの安心材料として法人化を検討する方もいます。
もちろん、法人化には社会保険料の負担増だけでなく、設立費用や税務・労務まわりの事務負担も伴います。保険料を抑えたいという理由だけで判断するのではなく、事業の規模や将来の方向性まで含めて考えることが大切です。法人化の判断軸やタイミングの目安については、別記事で詳しく解説していますので、気になる方はあわせて確認してみてください。
*7参考:全国健康保険協会(協会けんぽ)「傷病手当金」2026年10月閲覧
関連記事▶︎フリーランスエンジニアの法人化タイミングとマイクロ法人
(3)正社員・トランジション採用という選択肢
保険料や傷病手当金の不安を、制度選びだけで解決しようとすると、どうしても手間や固定費がかさみがちです。発想を変えて、フリーランスという働き方自体を見直すきっかけとして捉える方もいるんです。
トランジション採用は、まず業務委託として企業に参画し、実務を通じてお互いの相性や働き方を確かめたうえで、双方の合意があれば正社員へと転換していく、新しい採用の形と言えます。いきなり正社員として飛び込むのではなく、「この会社で長く働けそうか」をお互いに見極めながら進められるのが特徴です。
業務委託として関わっている企業で実績を積みながら、正社員への転換を選択肢に入れておくと、社会保険まわりの不安そのものから解放される可能性もあります。収入面の不安だけでなく、保障面の不安もまとめて解消できるのは、働き方そのものを変える選択肢ならではのメリットと言えるでしょう。

4、フリーランスエンジニアの健康保険組合についてよくある質問
ここからは、読者のみなさんからよく寄せられる疑問に、サクッとお答えしていきますね!
Q1. フリーランスのまま入れる健康保険組合はないの?
ほとんどありません。関東ITソフトウェア健康保険組合(ITS健保)のように名前が挙がる組合健保もありますが、法人(事業所)単位での加入が前提のため、個人事業主のまま単独で加入することは想定されていません。保険料を抑えたい場合は、任意継続や法人化、正社員への転換といった、組合加入以外の方法を検討するのが現実的です。
Q2. 健康保険組合に入ると確定申告は変わる?
確定申告のやり方自体が変わるわけではありません。健康保険組合はあくまで加入する保険制度が変わるだけで、事業所得として申告する点は国保のときと同じです。
Q3. 任意継続にはデメリットもある?
あります。任意継続は在職中に会社と折半していた保険料が全額自己負担になるほか、原則として最長2年間という期間の制限もあります。保険料の試算は事前にしておくと安心です。
Q4. 法人化すれば健康保険料は必ず下がる?
必ずしも下がるとは限りません。法人化して社会保険に加入すると、社会保険料の負担自体は増えるケースが多い一方で、傷病手当金など給付面は手厚くなります。保険料だけでなく、給付内容まであわせて比較することをおすすめします。
5、まとめ
健康保険組合に入れるかどうかは、制度選びの話に見えて、実は毎月の固定費と、万が一のときの保障をどう設計するかという、暮らし全体のコスト管理の問題でもあります。
保険料を抑える工夫そのものは大切ですが、根本的に不安をなくしたいなら、働き方自体を見直すという選択肢があることも、頭の片隅に置いておいてください。
re:shineは、エンジニアと企業が直接契約できるプラットフォームです。業務委託として関わりながら、正社員への転換(トランジション採用)という形で会社に加わる道を探っている方は、一つの選択肢としてのぞいてみてください。

自分に合った制度を、焦らず選んでいってくださいね!
この記事を書いた人
re:shine編集部
エンジニアと企業のより良いマッチングを目指し、フリーランスとして働くうえで役立つ多彩なテーマを発信しています。生成AIの普及や働き方の多様化など、変化の激しいエンジニア市場において、フリーランスエンジニアの皆様に寄り添い、明日から活用できる情報をお届けします。
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