HOMEkeyboard_arrow_rightマガジンTOPkeyboard_arrow_rightkeyboard_arrow_right

エンジニア業務委託の単価相場と適正設定の考え方 

エンジニア業務委託の単価相場と適正設定の考え方 

この記事はこんな人におすすめです

  • 業務委託でエンジニアを採用したいが、いくらで募集すればいいか分からない方

  • 予算を決めたはいいが、応募が集まらない・採用後にミスマッチが起きていると感じている方

  • エンジニアの業務委託採用を進めているが、単価の決め方や妥当性に自信が持てない方

「業務委託でエンジニアを採用したいが、いくらで募集すればいいのか分からない」と悩む採用担当者や経営者は少なくありません。エンジニアの単価に関する情報は数多く存在するものの、エンジニア(フリーランス)側が自分の適正単価を把握するためのものが多いです。

本記事では、採用する企業側の視点から、エンジニア業務委託の単価相場を整理します。職種別・経験年数別の目安に加え、単価を左右する要因や企業側が陥りやすい単価設定の失敗パターンまでを幅広く解説します。

読み終える頃には、自社の状況に合った適正単価の考え方が整理され、次に取るべきアクションが明確になっているはずです。

1、エンジニア業務委託の単価相場

エンジニア業務委託の単価相場

(1)市場全体の中心帯:月75万〜80万円前後が現在の水準

エンジニアの業務委託における月額単価は、スキルレベルや経験年数、職種によって大きく異なります。一般的な目安として、経験の浅いジュニアエンジニアで月40万〜60万円、中堅クラスで月60万〜80万円、上流工程やマネジメントを担うシニアクラスでは月100万円を超えるケースも珍しくありません。

市場全体のデータとして、エン株式会社が運営する「フリーランススタート」の2025年12月度調査(*1)によると、フリーランスエンジニア案件の月額平均単価は78.3万円でした。また、ファインディ株式会社が2026年に実施した調査(*2)では、平均月単価は約80万円(時間単価5,319円)と報告されており、堅調に推移しています。複数の調査を総合すると、2026年時点の市場中心帯は月75万〜80万円前後と見るのが妥当です。 

ただし、「平均」はあくまで幅のある分布の中間値に過ぎません。同じ「バックエンドエンジニア」であっても、スキルセットや担う工程によって月50万円台から100万円超まで開きが生じます。まず相場の全体像を把握した上で、次節から職種・経験年数ごとに詳しく見ていきます。

*1 参照:エン株式会社「2025年12月度 フリーランスエンジニア月額平均単価レポート」(2026年1月)

*2 参照:ファインディ株式会社「フリーランスエンジニアの平均単価・働き方調査レポート 2026年最新版」(2026年3月)

(2)【職種別】担う役割によって単価はどう変わるか

職種によっても単価に幅が生じます。以下は、複数の案件データをもとにした月額単価の目安です。専門性の難易度と市場における需要の高さが単価に反映される傾向にあります。

職種

月額単価の目安

補足

フロントエンドエンジニア

月50万〜80万円

React・Vue・TypeScript経験者は高単価

バックエンドエンジニア

月55万〜90万円

Go・Rust・クラウド連携は特に高め

フルスタックエンジニア

月60万〜95万円

幅広い対応力が評価される

インフラ・
SREエンジニア

月65万〜100万円以上

クラウド(AWS・GCP・Azure)の需要が高い

AIエンジニア・
MLエンジニア

月80万〜120万円以上

AI需要の拡大で相場が上昇傾向

プロジェクトマネージャー

月85万〜120万円以上

上流工程担当は全職種を通じて高単価

(2026年時点)

これらの数値はあくまで参考値であり、同一職種でもスキルセットや担当工程によって大きく変動します。特に上流工程(要件定義・技術選定・設計)を担えるかどうかは、単価に直結する重要な要素です。この点については、2章で改めて詳しく解説します。

(3)【経験年数別】スキルレベルで変わる単価の目安

経験年数は単価を左右する基本的な指標のひとつです。ただし、現在の市場では「年数」よりも「何ができるか」が単価を決める傾向が強まっています。

スキルレベル

目安の月額単価

特徴

ジュニア

月40万〜60万円

経験年数1〜3年。タスクをこなせるが、自走力は限定的

ミドル

月60万〜80万円

経験年数3〜5年。独立して業務を遂行できる

シニア

月80万〜100万円

経験年数5年以上。設計・技術選定も担える

エキスパート

月100万円以上

上流工程・マネジメント・希少スキルを持つ

(2026年時点)

企業側としては、「どのような役割を担ってほしいか」を先に具体化した上で、そのスキルレベルに見合った単価帯を参照することが重要です。役割定義が曖昧なまま単価を決めると、適正な人材が集まりにくくなります。

(4)「相場」には幅がある──なぜ同じ職種でも単価が変わるのか

上記のデータを見ても、各職種の単価に大きな幅があることに気づいた方も多いのではないでしょうか。同じ「バックエンドエンジニア」でも、月55万円の場合もあれば月90万円の場合もあります。この幅を生む要因は、単なる「経験の差」だけではありません。

スキルセット・商流の深さ・稼働形態・担当工程・市場トレンドとの合致度──これら複数の要因が組み合わさることで、実際の単価は決まります。企業が「相場はこのくらいだから」と一点で単価を決めてしまうと、想定より優秀な人材が集まらなかったり、逆に予算が不必要に膨らんだりといった問題が生じやすくなります。

単価の幅を生む具体的な要因については、次章で詳しく整理します。

2、単価を左右する5つの要因

(1)スキルセットと経験年数

エンジニアの単価に最も大きく影響するのは、スキルセットと実務経験年数です。習得難易度の高い技術や希少性のある言語・フレームワーク、あるいは長年の実務で培ったノウハウを持つほど、市場価値は高まります。

企業側が単価を設定する際は、「自社が必要としている具体的なスキルは何か」を先に定義することが重要です。たとえば「PHPができる人」と曖昧に設定するよりも、「PHP・Laravelを用いた大規模ECサイト開発の経験者でAWSの環境構築ができる人材」と定義することで、提示すべき単価帯が明確になります。

(2)商流の深さ(直接契約か多重下請けか)

エンジニアの単価を考える上で、見落とされがちな要因が「商流の深さ」です。直接契約(発注企業とエンジニアが直接契約)の場合、中間業者が存在しないため企業の支払い額がそのままエンジニアの報酬になります。

一方、エージェントや複数の下請け企業を経由する多重下請け構造では、中間業者がそれぞれ手数料(マージン)を取るため、企業の支払い額とエンジニアの手取り額に乖離が生じます。一般的にエージェントのマージン率は20〜30%前後とされており、例えば、フリーランスの希望単価が80万円で20%の上乗せがある場合、100万円近い金額を払うことも起こります。

エージェント各社の公開案件データをもとにした一般的な傾向として、直接契約に近い案件ほど単価が高く、中間業者が増えるほど企業の支払額とエンジニアの手取り額の乖離が大きくなる傾向が指摘されています。企業側としては、商流を意識した上で「エンジニアにとって魅力的な報酬水準を実現できているか」という視点を持つことが、優秀な人材を継続的に確保するうえで重要です。

(3)稼働形態(フルタイム・週3日・副業)

稼働日数・稼働時間によっても月額単価は変動します。週5日フルタイムを基準とした場合、週3日稼働であれば月額単価はフルタイムの約6割が目安になります。副業・週1〜2日の場合はさらに下がりますが、時給換算では高めになるケースもあります。

企業側が募集の際に稼働形態の条件を明確にしておくことで、エンジニア側も自分の稼働可能状況との照合ができ、条件ミスマッチによる採用後の問題を防ぐことができます。

(4)上流工程への関与度

要件定義・システム設計・技術選定といった上流工程への関与度が高いほど、単価は高くなる傾向があります。上流工程は専門的な知識だけでなく、クライアントとのコミュニケーション能力や提案力も求められるためです。

テスト・運用保守などの下流工程に比べ、要件定義や基本設計を担えるエンジニアの月額単価は1.5〜2倍程度異なることもあります。どの工程まで担ってほしいかを要件として明示することで、単価設定の精度が上がります。

(5)市場トレンドとの合致度(AI・クラウド系は高単価)

IT業界のトレンドの移り変わりは速く、市場で需要の高い技術を持つエンジニアには単価プレミアムが発生しやすい状況です。現在(2026年時点)特に単価が高い傾向にある技術領域としては、AI・機械学習、クラウド(AWS・GCP・Azure)、セキュリティ、DevOpsなどが挙げられます。

AIの台頭によりエンジニア採用の需要に変化が見られつつも、AI・機械学習、クラウド、セキュリティDevOpsなどの技術を持つエンジニアの単価は上昇傾向にあります。自社の開発要件を具体的に定義し直すことで、求めるスキル領域に特化した採用戦略を組み立てやすくなります。現在の市場動向と照らし合わせながら、「自社が本当に必要としているのはどのような専門性か」を改めて言語化することが、単価設定の精度を上げる第一歩です。

単価を左右する
5つの要因

3、【企業側視点】単価設定の失敗が採用の失敗を招く理由

(1)「予算ありき」の単価設定で優秀な人材が集まらない構造

採用活動において単価設定が失敗する最も典型的なパターンが、「予算ありき」の逆算設定です。「開発費として月50万円しか出せない」という制約から先に入り、市場相場を確認せずに募集をかけてしまうケースです。

例えば、バックエンドエンジニア(経験3年以上、Go言語)を月50万円で募集した場合、市場相場(月70万〜90万円)を下回るため、スキルを持った人材からは「条件が合わない」と判断され、応募自体が来ない状態になります。

一方で「それでも応募がある」場合は、その単価を受け入れるスキルレベルの人材が集まることを意味し、採用後に「期待と違う」という状況が生まれやすくなります。単価の設定は、採用する人材の質を決める最初の意思決定であるという認識を持つことが重要です。

(2)エージェント経由では単価の「行方」が見えにくい問題

エージェントを通じた採用では、企業が支払う単価とエンジニアが受け取る報酬の間にマージンが発生します。この構造が「見えにくい」ことが、採用担当者が単価の実態を把握しにくい原因の一つになっています。

エンジニア側は自分の案件単価を知らされないことも多く、自分が適正な報酬を得ているかどうか判断しづらい状況に置かれています。この不透明な構造が、エンジニアの定着率の低下や「いつか直接契約に移りたい」という意識につながることがあります。

企業としては、エージェント経由の構造的なコストを理解した上で、「直接契約ではどのくらいの単価が適正か」という視点も持ちながら予算設計をすることが、中長期的な採用コストの適正化につながります。

(3)適正単価を設定する3つのステップ

単価設定の失敗を防ぐために、以下の3つのステップで進めることをおすすめします。

ステップ1:必要スキルの具体的な定義
求める職種・経験年数・技術スタック・稼働形態・担当工程を言語化します。「エンジニア」という括りではなく、「どんな業務を担ってほしいか」から逆算して要件を定義することが出発点です。

ステップ2:市場相場の確認
定義した要件に該当するエンジニアの市場単価を調査します。フリーランス向けの案件情報プラットフォームや各種調査レポートを参照するほか、複数のプラットフォームで実際の募集案件の単価帯を確認するのが現実的です。

ステップ3:提示単価のすり合わせ
市場相場を参考に、自社の予算との調整をします。どうしても相場より低い単価しか出せない場合は、稼働日数を減らす・業務スコープを絞るといった調整で、エンジニア側にとっても合理的な条件になるよう工夫することが重要です。

4、業務委託採用で単価以外に確認すべき3つのポイント

(1)単価交渉のタイミングと進め方

業務委託契約における単価交渉は、主に「契約更新時」「業務内容が変わるとき」の2つのタイミングで行われます。契約更新時はこれまでの実績を振り返る自然な機会であり、企業側からエンジニア側に「これまでの貢献を評価した単価見直し」を提案する場合もあります。

適正な単価が分からない場合は、「同じ業務を自社社員が担当した場合の人件費(給与+社会保険料など)」と比較する方法が参考になります。同等の業務を正社員が担当した場合の人件費総額と比較することで、業務委託という働き方が双方にとって合理的な選択かどうかを確認する目安になります。

予算の都合で単価を引き下げたい場合、エンジニアの合意なく一方的に単価を下げることは、下請法違反または民法上の契約違反に該当する可能性があります。単価の変更は必ず事前協議の上で合意を得ることが前提です。稼働日数の見直しや業務スコープの調整とセットで話し合い、双方が納得できる条件を探ることが、法的リスクを避けながら長期的な関係を維持する現実的な方法です。

(2)契約形態の選択:準委任か請負かの判断基準

契約形態の選択は単価設計にも直結します。プロジェクトの特性に合わせた判断基準を整理しておきましょう。

継続的な開発・運用・保守に関わる場合には準委任契約が適しています。一方、「ウェブサイトの新規構築」「特定機能の開発」といった、明確な納品物がある場合は請負契約が向いています。

ただし、個人のフリーランスエンジニアへの発注で請負契約を希望する場合、納品物の完成責任や検収前の未入金リスクなど、キャッシュフロー上の負担からエンジニア側に断られるケースも少なくありません。企業側が請負契約を希望する場合は、契約形態についても事前にすり合わせておくことが重要です。

また、請負契約の場合はスコープの範囲外の作業が発生した際に追加費用が生じるケースもあります。
契約前に業務範囲・修正回数・納期・品質基準を明文化しておくことで、後のトラブルを防げます。

(3)長期関係を前提にした単価設計の考え方

業務委託での採用においては、「一度契約したら終わり」ではなく、長期的な関係構築を前提に単価を設計することが重要です。継続して同じエンジニアと仕事をすることで、業務の引き継ぎコストが減り、プロジェクトの安定性が高まります。

優秀なエンジニアは常に複数の選択肢を持っています。スキルや貢献度に見合った単価を提供し続けることが、長期的な協力関係を維持する上での基本的な姿勢です。企業側から定期的に「今の単価・業務内容に不満はないか」を確認するコミュニケーションを持つことも、関係の継続に寄与します。

また、フリーランスとして業務委託で関わった後に、正社員として迎え入れる「トランジション採用」という選択肢もあります。業務委託での協働を通じてお互いの仕事スタイルや価値観を理解し合った上でオファーに至るため、入社後のギャップが生まれにくく、エンジニア・企業双方にとって納得感の高いキャリア転換につながります。

業務委託採用で単価以外に確認すべき3つのポイント 1.単価交渉のタイミングと進め方2.契約形態の選択:準委任か請負かの判断基準3.長期関係を前提にした単価設計の考え方

5、まとめ:単価の「相場感」より大切な「適正感」

エンジニア業務委託の単価は、職種・経験年数・商流・稼働形態・技術トレンドなどの複数の要因が絡み合って決まります。「相場はどのくらいか」を知ることは重要な第一歩ですが、それ以上に大切なのは「自社の要件に対して適正な単価を設定できているか」という視点です。

単価設定の失敗は、応募の減少・採用後のミスマッチ・エンジニアの早期離脱といった問題に直結します。「予算の範囲でなんとかなる」という発想から脱し、市場の実態に即した単価設計を行うことが、エンジニア採用成功への第一歩になります。

また、業務委託採用には、単価設計の適正化にとどまらない可能性もあります。お互いの仕事スタイルや価値観を理解し合いながら協働できる点が業務委託の強みであり、タイミングが合えば正社員としてのキャリア転換を提案できる「トランジション採用」という選択肢にも自然につながります。正社員採用のミスマッチリスクを抑えながら優秀なエンジニアと長期的な関係を築きたい企業にとって、注目に値するアプローチです。

re:shineでは、エージェントを介さない直接契約の仕組みにより、企業が設定した単価をエンジニアへの適正な報酬として届けることを大切にしているプラットフォームです。直接契約からトランジション採用まで、一貫してサポートする仕組みを備えています。適正な単価でエンジニアと出会い、信頼関係を育てる採用活動をぜひ実現してください。

即戦力エンジニアに出会える 直接案件プラットフォーム「re:shine」

この記事を書いた人

re:shine編集部

エンジニアと企業のより良いマッチングを目指し、採用成功に役立つ多彩なテーマを発信しています。深刻な人材不足や働き方の多様化など、変化の激しいエンジニア採用市場において、採用担当者の皆様に寄り添い、明日から活用できる情報をお届けします。

re:shineサービスサイトへ >

まずはコストをかけずに
採用活動をはじめましょう

エンジニア採用が初めての方もお任せください

資料をダウンロード

リシャイン

ITエンジニア特化の
直接契約型案件プラットフォーム

ITエンジニア特化の
直接契約型案件プラットフォーム