HOMEkeyboard_arrow_rightマガジンTOPkeyboard_arrow_rightkeyboard_arrow_right

フリーランスエンジニア採用を戦略的に使う方法と進め方

フリーランスエンジニア採用を戦略的に使う方法と進め方

この記事はこんな人におすすめです

  • スカウトや求人を出しても反応が薄く、正社員採用に行き詰まりを感じている

  • フリーランス採用を検討し始めたが、進め方や注意点がわからない

  • 採用コストやミスマッチへの不安から、「もっと確かめてから採用したい」と感じている

エンジニアの採用活動を続けているのに、なかなか良い出会いがないと感じている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。スカウトを送っても返信がなく、求人票を出しても応募が来ない——そうした状況が続く中で、「フリーランスエンジニアの採用を検討してみよう」と思い始めた方もいるかもしれません。

エンジニア採用を取り巻く市場は、構造的に企業側が不利な状況が続いています。IT人材の需要が供給を大きく上回る中、正社員採用の競争率は上がり続けており、優秀なエンジニアに出会うことがますます難しくなっています。

この記事では、フリーランスエンジニア採用が企業にとってどのような可能性を持つのかを、採用の進め方・メリット・注意点・正社員化への活用まで幅広く解説します。読み終える頃には、フリーランス採用を単なる「補欠の選択肢」ではなく「戦略的な採用手段」として捉え直すヒントが見つかるはずです。

1、エンジニア採用市場でフリーランスが注目される背景

エンジニア採用市場でフリーランスが注目される背景

(1)正社員採用が難しい理由とは

エンジニア採用が難しいと感じる原因のひとつは、正社員採用という土俵に多くの企業が集中していることにあります。

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」(*1)によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると試算されています。この不足は、DXの加速・AI技術の普及・少子高齢化による労働人口の減少が複合的に重なった結果です。

さらに、エンジニアの転職求人倍率(IT人材)は2025年12月時点で10.4倍という高い水準となっています(*2)。これは、1人のエンジニアに対して10社以上の求人が存在している計算です。つまり、同じ正社員採用という土俵に数多くの企業が立ち、限られたエンジニアを奪い合っている状態が続いています。

多くの採用担当者が「良いエンジニアに出会えない」と感じる背景には、手法や努力の問題ではなく、土俵そのものの競争率が上がり続けているという構造的な要因があります。

*1参考:経済産業省「IT人材需給に関する調査」2019年3月  
*2参考:レバテック「IT人材の正社員転職市場動向」2026年1月

(2)フリーランスという「競争率の低い土俵」の存在

一方で、フリーランスエンジニアの採用市場は、正社員採用とは別の動き方をしています。

INSTANTROOM株式会社が公表した「ITフリーランス及びフリーランスエージェント市場白書2025」(*3)によると、ITフリーランス人口は2024年に35万人を突破し、2028年には45万人へ拡大すると予測されています。この増加傾向が示すように、フリーランスとして活動するエンジニアの母集団は着実に広がっています。

加えて注目すべき点があります。フリーランスエンジニアの中には、「将来的には正社員として働きたい」と考えている層が一定数存在します。ライフステージの変化や社会保障の安定を求め、共感できる事業や経営者に出会えれば正社員への転換を検討したいと考えるエンジニアが増えているのです。

この「潜在的な正社員候補」にアクセスできるのが、フリーランス採用という土俵の大きな特徴です。正社員採用と比べて競合企業が少なく、企業側が主体的に選びに行きやすい環境が整っています。

*3参考:INSTANTROOM株式会社「ITフリーランス及びフリーランスエージェント市場白書2025」2025年4月

2、フリーランスエンジニア採用のメリットと注意すべき点

(1)正社員採用と比べたときの3つのメリット

フリーランスエンジニアの採用には、正社員採用と比較したときに明確なメリットがあります。

メリット1:競争率の低い土俵で採用できる

正社員採用の競争率が高まる中、フリーランス採用のプラットフォームやスカウト市場は相対的に競合が少ない状態です。同じスペックのエンジニアに対して、スカウトが届く確率が上がります。

メリット2:採用スピードが速い

正社員採用のプロセスは面接・内定・入社調整・オンボーディングなど、実務参加まで数カ月かかることがほとんどです。フリーランス採用の場合は業務委託契約の締結後、早期にプロジェクトへのコミットが始まることが多く、事業スピードに合わせた人員補強が可能です。

メリット3:実際に働いて見極めることができる

正社員採用では、入社後の試用期間を経て初めてスキルや文化適合性を判断できます。一方で、フリーランス採用では、実際の業務を通じてスキル・人柄・チームとの相性を確認しながら関係を深めていくことができます。

ミスマッチが発生する原因に関しては、「エンジニア採用のミスマッチが繰り返される本当の理由」で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

正社員採用と比べたときの3つのメリット

(2)見落としがちな注意点と対処法

フリーランスエンジニアとの協働には、押さえておくべき注意点もあります。事前に認識しておくことで、採用後のトラブルを大幅に減らせます。

注意点1:業務委託契約の設計を適切に行う

業務委託契約には委任型と請負型があり、エンジニアへの依頼では準委任型が多く用いられます。いずれの形態でも、企業が作業時間・方法・進め方を直接指示する行為は偽装請負とみなされるリスクがあります。「委託した業務の成果に対して報酬を支払う」という原則を守りながら、弁護士や専門家に確認の上、適切な契約書を整えておくことが重要です。

注意点2:コミュニケーション設計と業務管理の工夫

フリーランスエンジニアは稼働日数や関わり方が多様なため、社内の正社員と同じ感覚でコミュニケーションを取ろうとすると、認識のずれや情報共有の遅れが生じやすくなります。作業の背景・目的・完了条件をテキストで明示する、タスクの粒度を小さく切り出すなど、非同期でも進められる連携設計を事前に整えておくことが重要です。

注意点3:プロジェクトへの帰属意識を醸成する

フリーランスエンジニアは複数の企業と取引していることが多く、プロジェクトへの関与深度には個人差があります。一方的に作業を依頼するだけでなく、プロジェクトの背景・目指す世界観を共有することで、エンジニアが主体的に関わりやすい環境をつくることが大切です。これはエンジニアを一人の専門家として敬意を持って関わることで実現します。

3、フリーランスエンジニア採用の基本的な進め方

(1)採用目的を「即戦力確保」と「中長期確保」で分けて考える

フリーランスエンジニアの採用を検討する際、まず最初に問うべきは「何のために採用するのか」という目的の整理です。目的によって、アプローチする媒体・契約形態・コミュニケーション方法が変わります。

大きく分けると、「即戦力確保」と「中長期確保」の2つに分類できます。

例1)即戦力確保の場合
特定の技術スタックを持つエンジニアを、短期プロジェクトのために3〜6カ月間迎えたい場合。スキルのフィット感を重視し、即戦力性の高い候補者にアプローチする。

例2)中長期確保の場合
当面はフリーランスとして業務委託契約をしつつ、将来的には正社員化を視野に入れたい場合。スキルだけでなく価値観・文化適合性・正社員転換への意向を確認しながら採用活動を進める。

この2つを混同したまま採用活動を進めると、「即戦力を探していたつもりが、相手は正社員化を望んでいなかった」といったすれ違いが生じます。目的の言語化は、採用設計の出発点です。

(2)フリーランスエンジニアへのアプローチ方法

フリーランスエンジニアへの主なアプローチ方法は3種類あります。それぞれの特徴を理解した上で、目的に合った方法を選ぶことが重要です。

①掲載型(案件公開・求人掲載)

フリーランスエンジニアが登録するプラットフォームに案件や要件を掲載し、応募を待つ形式。受け身型ではありますが、自ら案件を探しているアクティブな候補者にリーチしやすい特徴があります。エージェントを介さず直接掲載できるプラットフォームを活用することで、中間コストを抑えながら候補者にアプローチすることも可能です。

②スカウト型(ダイレクトリクルーティング)

プラットフォームに登録しているエンジニアのプロフィールを企業側が確認し、直接メッセージを送るアプローチ方法。正社員転換を検討している「潜在層」にアクセスしやすい点で、中長期確保を目的とする場合に特に有効です。エンジニアと直接やり取りができるため、プロジェクトへの理解促進や関係構築がしやすく、信頼関係を早期に築きやすい利点もあります。

③ エージェント型(人材紹介経由)

フリーランス専門のエージェントを通じて候補者を紹介してもらう形式。自社での候補者探索やスカウト設計が難しい場合でも、エージェントの保有ネットワークから適切な人材にアクセスできる利点があります。一方で中間手数料が発生するため、コスト面での考慮が必要です。

(3)スカウト設計で差がつく理由

フリーランスエンジニアへのスカウトは、正社員採用の場合と同様に、質の良し悪しが返信率に影響します。特にフリーランスエンジニアは複数の企業から声がかかることが多く、定型文・低解像度なメッセージはほぼ開封されません。

スカウト文で重要なのは、「なぜこのエンジニアに声をかけているのか」という個別性と、「一緒に取り組む課題の解像度」です。

例)解像度の低いスカウト文
「弊社の技術スタックと合致すると感じ、ぜひお声がけいたしました。ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。」

例)解像度の高いスカウト文
「〇〇様のReactを使ったパフォーマンス改善の取り組みを拝見しました。現在弊社では〇〇というプロダクトの表示速度改善が急務で、同じ技術的アプローチに取り組んでいます。一度カジュアルにお話しをさせていただけませんか。」

後者のようなメッセージは、エンジニアが「自分のことを調べてくれている」「何の課題を一緒に解決するのか」を瞬時に理解できます。作成に時間がかかるように感じますが、返信率に差がでるため、長期的には採用効率が上がります。

フリーランスエンジニア採用の基本的な進め方

4、フリーランス採用を「正社員化への入口」にする考え方

(1)「実際に働いてから判断する」採用設計の強さ

多くの採用担当者が見落としているのが、フリーランス採用を「正社員化への入口」として設計するアプローチです。

正社員採用では、数回の面接を経て入社・試用期間に入るまで、互いのスキルや相性を十分に確認することが難しい構造があります。これがミスマッチが繰り返される根本原因のひとつです。

一方、フリーランスとして業務委託関係を結んだ場合、実際のプロジェクトを通じてスキルの解像度・チームとのフィット感・コミュニケーションスタイルを確認できます。

例)業務委託期間中に確認できること

・コードレビューを通じた技術力の確認

・議論の進め方・意見の出し方など、チームとのコミュニケーションスタイルの把握

・組織文化や価値観に対する共鳴度の自然な見極め

このプロセスは、正社員採用の試用期間より質の高い見極めの機会になります。採用側も、エンジニア側も、お互いを深く知った上で次のステップを検討できるからです。

(2)フリーランスから正社員への転換(トランジション採用)とは

フリーランスとして関わっていたエンジニアを、正社員として迎え入れる採用手法を「トランジション採用」と呼びます。

前述したように、フリーランスエンジニアの中には「将来的には正社員になりたい」と考えている層が一定数います。共感できる事業・経営者との出会いがあれば、正社員への転換を検討するエンジニアは少なくありません。

企業側にとってのメリットは明確です。すでに業務を通じてスキル・人柄・チームとの相性が分かった上での正社員化のため、入社後のミスマッチリスクが大幅に下がります。また、正社員採用と比較して中間コストを抑えながら、優秀なエンジニアを正社員として迎えられる可能性があります。

フリーランスエンジニアへのトランジション提案には、タイミングと方法が重要です。業務委託を始めてから数カ月が経過し、互いの信頼関係が構築できたタイミングで、「当社と一緒にフルコミットで取り組んでみませんか」と対話をスタートするのが自然な流れです。

この際に気をつけたいのは、「正社員になってください」と一方的に提案しないことです。エンジニアにとってのキャリア上のメリットや、プロジェクトの今後の方向性を丁寧に共有した上で、エンジニア自身が選べる場を用意することです。

関連記事▶︎「フリーランスエンジニアを正社員採用に転換する方法と3つのサイン」
関連記事▶︎「エンジニア業務委託の単価相場と適正設定の考え方」

5、まとめ:フリーランス採用は「補欠の選択肢」ではない

エンジニア採用を取り巻く環境が変化する中で、「正社員採用が難しいからフリーランス採用を試してみる」という後ろ向きな発想ではなく、「フリーランス採用は競争率の低い土俵でエンジニアと出会える、戦略的な手段だ」という前向きな認識への転換が求められています。

フリーランスエンジニアとの出会いは、適切に設計すれば、単なる即戦力確保にとどまらず、長期的に自社を支えるエンジニアとの関係構築の入口になります。採用設計を変えることが、エンジニア採用の質を根本から変えるきっかけになるはずです。

フリーランスエンジニアと直接契約できるプラットフォーム「re:shine(リシャイン)」では、こうしたフリーランス採用からトランジション採用への流れをひとつの仕組みとしてサポートしています。エンジニア採用に課題を感じている方は、ぜひ一度参考にしてみてください。

フリーランスエンジニアとの良い出会いは、正しい土俵を選ぶことから始まります。

この記事を書いた人

re:shine編集部

エンジニアと企業のより良いマッチングを目指し、採用成功に役立つ多彩なテーマを発信しています。深刻な人材不足や働き方の多様化など、変化の激しいエンジニア採用市場において、採用担当者の皆様に寄り添い、明日から活用できる情報をお届けします。

re:shineサービスサイトへ >

まずはコストをかけずに
採用活動をはじめましょう

エンジニア採用が初めての方もお任せください

資料をダウンロード

リシャイン

ITエンジニア特化の
直接契約型案件プラットフォーム

ITエンジニア特化の
直接契約型案件プラットフォーム